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2023-02-01

しー君のこと。

30年以上も前のこと。
エジプトに行ったのでした。
昨年実家に帰った時に何となく昔のアルバムをめくっていたら、この写真が出てきて持ち帰ってきました。
写真を前に置いて、何か書きたいけれど少し途方に暮れてしまう。
ピラミッドの前に立ってる自分や、ピラミッドに腰掛けている自分は不思議なインパクトがあるけれど、書きたいのはわたしをそこに連れて行ってくれた友人のこと。
しー君のこと。

しー君のことを書きたいとずっと思っていたけれど、昔のことだから引っ張り上げるのがちょっと重くて。昔のことを思い出すと自分が沈んでいきそうな気持ちになる。
だから、今の場所から、思い出すことをふっとすくい上げてみたいな。

しー君みたいな人には会ったことがないといつも思ってました。
あんな風にいつも目がきらきらしてて、オープンで、言ったことをすぐに実行する人。
わたし達は大学で同じ学部で、入学してからすぐに仲良くなったと思う。
華やかでちょっとセクシーで目立つ人だったので、仲良くなれたことに当時のわたしは驚いてました。
でも彼女の華やかさは誰かに見せるためや自慢するものではなくて、お花がふわっと開いているような素朴で自然なもの。
彼女の心は海外に大きく開いていて、英語やフランス語、ロシア語等をいつも勉強していて、旅行にもよく行っていました。

しー君は狭かったわたしの世界を変えてくれました。
モルモン教の方がボランティアでされている英会話教室に一緒に通ってみたり、停泊しているロシア船に連れて行ってもらったり、一人暮らしをしたいと思っていたわたしの背中を押してくれたり。
きらきら輝く彼女の瞳を見ていると、何でもできるという気持ちになりました。
彼女のおかげで、人生のページがぱあっと開かれたみたいだったのです。
エジプトもそんな風に行くことができたのでした。

そして、しー君は24才で亡くなりました。
スキューバダイビングの事故でした。

今思うのですが、それも、しー君が計画してきたことだったのかなと。
わたし達は魂の存在。
大きなことは生まれる前に大体決めてきていると聞いたことがあります。
しー君の魂は地球を急いで思い切り体験して、次のステージに行くことを決めていたのかもしれません。
そして、また、わたしが魂に還った時に出逢えるのかもしれません。

ありがとう しー君。

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