toggle
2019-09-28

秋の日のちひろ美術館

お昼すぎに作業をおしまいにして、車ででかけました。
秋晴れの爽やかな日。風は金木犀の甘い香りを運んできます。

すごく歩きたい
どこにしようかな
何となく西の方

それで、いわさきちひろ美術館に来ました。
車を停めて、今日は美術館に入らずに、外を散歩。
ここに来るだけで、幸せな気持ちになります。いつ来てもそう。

敷地内に再現されたちひろの「黒姫山荘」がとても好きです。
ガラス窓に張り付いて中をいつまでも見続けてしまう。
低めのソファと椅子の応接セット、黒電話、リビングとつながった台所に小さい白い炊飯器。
薪ストーブには赤いお鍋。壁にはドライフラワーが吊るしてあって。
小上がりになった和室はちひろのアトリエ。
窓に向かった机。本棚。
その空間の安らかさが、静謐な感じが伝わってきて、いつまでも見入ってしまうのです。

一人の女性の存在が、その人の描いたものが、空気感が、たくさんの人をほっとさせて、幸せな気持ちにしてくれる、そのことに改めて驚いてしまう。
その丁寧さは行き渡っていて、敷地にはきれいな川が流れ、ススキの揺れるビオトープに注ぎ込み、メダカやカエル、アメンボが生きてる。
センス・オブ・ワンダーの世界。

同じ感覚はちひろの挿絵が使われた黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」にも息づいていて、やはり大好きで何度も読み返した本なのでした。

関連記事