2022-06-09
時計展と『モモ』
時計展が始まり、あと4日となりました。
しばらく前から読み返したいと思っていたミヒャエル・エンデの「モモ」。
図書館から借りてきて、在店している時に読んでいました。
そしてしばらくして気づいたのだけど、この表紙の絵には時計がいっぱい。
モモが亀のカシオペイアに導かれてマイスター・ホラの時間の国に入っていくシーンです。
自分の作った時計がたくさん並んでいる中に座っていたわたしは、何だか偶然の一致みたいなものを感じて、思わず笑ってしまいました。
「モモ」は何度も読み返していて、時々又読み返したくなる物語。
どのシーンが好きかと聞かれると、カシオペイアとの逃走シーン。
灰色の男たちがモモを必死で町中探し回っている時、二人はゆっくりゆっくり逃げているのです。
モモは追われていることさえ知らず、ただ、亀についていくだけ。
カシオペイアは少しだけ未来が見通せるのです。だから、追手のこない道を選んでモモを時間の国へ導きます。
いつ読んでも、気付かなかった新しい発見があります。
「オソイホド ハヤイ」
カメはこうこたえると、これまでよりもっとのろのろと這いました。そしてモモも ーー このまえのときにもそうだったのです ーー ここではそのほうがかえってはやくすすめることに気がつきました。ゆっくり行けば行くほど、まるで足もとの道路がふたりをのせて、どんどんはやくはこんでくれるようなのです。
ミヒャエル・エンデ作 『モモ』岩波少年文庫 より
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