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2021-04-03

むだなもの

ku:nelという雑誌が大好きでした。
過去形なのは5年位前に雑誌が大きくリニューアルして、それまでとは全く違った雑誌になってしまったから。
突然変わってしまった時は本当にびっくりしました。
本や自然が好きなちょっと恥かしがりやの女の人が、お金持ちのおしゃれな年上マダムに突然変身してしまったのですから…
それで、定期購読はやめて、それまでのku:nelは宝物になったのでした。

ほとんど全冊持っていて、時々、気に留まったものを引っ張り出して眺めています。
写真を見ているだけでも、以前読んだ記事を飛ばし読みするだけでも、気持ちがふーっと優しく柔らかくなっていきます。
江國香織姉妹の往復書簡も毎回楽しみだったものです。

ある意味、贅沢な雑誌だったなぁと思います。
料理法とか、片付け方とか、日々の生活に参考になることはありましたが、でもメインはそれではなくて、もっとふわっとした、とりとめもないようなこと。
誰かの庭の話だったり、ある女の子の好きなものの話だったり、外国のとある街のとある店にまつわる物語だったり。
そういう、何かの役にたっている訳でもないような、一見、“むだ” なものが、心を潤してくれたり、ほっとくつろがせてくれたりする。

猫もそうかも。
何か手伝ってくれるとか、働いてくれる訳ではないけれど(そういう猫もいいですね)、そばにいてくれるだけで、気持ちが安らいだり、おバカな仕草に笑わせてもらったり、ふわふわのお腹に顔を埋めて慰められたりする。

最近、猫が“抱っこ”を迫ってくるようになりました。
前は嫌がって、すぐ逃げてしまっていたのに。
どういう心境の変化でしょうか。
ぐいぐい抱きついてきて、ゴロゴロ言って、顔をペロペロなめます。
かわいいなぁ。
でも、ざらざらした舌で顔をなめられると、痛いんだよー。

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