フランスとインド (六)

◇インドって
フランスとインドへ行くというと、大抵「えっ インドも?」と不思議そうな顔をされました。場所も離れているし、一体どういうつながりがあるのか、謎だったのでしょう。
全然関係のないものが組み合わされた昔の二本立て映画のようですが、私たちにとってはとても理にかなっていたのです。
フランスは冬で寒く、物価も高い。そして、初めての場所で緊張感がある。
南インドは夏の気候で、物価が安い。そして、行ったことのある場所で、のんびりできるとわかっている。
フランスで一週間、残りを南インドで過ごすのは、三週間の旅にはちょうどいいのでした。
冬の時期に暖かい場所に行くのは最高です。何がうれしいかというと、冬の服で飛行機に乗って、目的地に着いた時、「うわぁ 暑いよー」と言いながら半袖に着替えるのが、何と言っても最高なのです。
寒い時期に暖かい場所に行って緩むことくらい、幸せを感じることはなかなかないんじゃないかと思います。ただ、単純に体と心が喜ぶ。子供がただうれしくて喜んでる、そんな感じでしょうか。
今回訪れたのは、ケーララ州のフォートコーチと、アムリタプリです。
アムリタプリには聖者アンマのアシュラムがあり、二年前にも滞在しています。

インドは好きな人と嫌いな人がはっきり分かれる国と言われます。その理由はとても良くわかります。
インドが嫌いな人はインドの喧騒や衛生的ではない所、いい加減な所、わかりづらい所が苦手なのかもしれません。
私はケーララ州しか行ったことがなく他の場所のことはわからないのですが、インドに行くと、とてもほっとします。何か大きく許されているような感じがするんです。
不便なことや曖昧なこと、汚なかったり合理的とは到底言えないところがあっても、「仕方ないなぁ。インドだからなぁ。まぁ、いいや」そんな大らかさがあって、その大らかさの中で自分も許されているというか。
私は割と真面目な性格で、きちんとするのが好きな方で、周りからもそう思われていたりするけど、でも一方で、そんな自分を叩き壊したいという激しさもあって…
日本は清潔で、何でも分かりやすくて便利で、優しくて真面目な人が多いと思います。だから、インドの不器用でいい加減なところを目にすると、日本ってほんとにすごいなぁと思う。
でも、インドで過ごすと、日本で自分が何か緊張しながら生きていたのだということがわかるのです。
どこの国にもないような深さと優しさがインドにはあって、何だか泣きたくなる…
(つづく)











