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2022-04-03

小川糸さんの本。

図書館で小川糸さんの本を借りてきました。
『これだけで、幸せ』ー 小川糸の少なく暮らす29カ条 ー 小川糸著 講談社
こんな本も出されていたとは。
小説のファンではありましたが、たおやかで凛とした暮らしぶりに更にファンになってしまいました…。

実は小川糸さんの小説を初めて読んだのは昨年のこと。
お名前も評判も知りつつ、何となく食わず嫌い?で本を読んだことはなかったのです。
きっかけは『ライオンのおやつ』というドラマ。
知人が、絶対好きやから DVD貸したげるわと、半ば無理やり貸してくださったのです。
『ライオンのおやつ』はそのかわいらしいタイトルからは思いもつきませんでしたが、末期癌になった女の子がホスピスに入り、そこで最期の日々を過ごすお話でした。
切ないのだけど、悲しさもあるのだけど、描きたいのはそこじゃなくて、そのホスピス「ライオンの家」の安らかさ、そんなふうに思いました。

誰もがいつか必ず死を迎えます。
死は怖いものじゃなくて、避けるものでもなく、忌み嫌うものでもないとずっと思っていました。
生まれる前の、肉体を持つ前の場所に帰るのだと思っていて、実は夢から覚めるようなものじゃないかななんて思ったりもしています。
主人公の雫の体は少しずつ死に近づいていきます。歩くことができなくなり、食べれなくなり、痛みが出てきたり、意識が朦朧としたりする。そんなふうに死に向かっていく人たちをホスピスのマドンナはじめ看護の人たちはその人の尊厳を守りながら、自然に、寄り添うように看取っていきます。
もし、自分の親しい人に死が訪れるならこんな風に接していけたらと思い、そして自分が死を迎える時も…と思うのです。

ホスピスにはおやつの時間がありました。
ゲスト、つまり患者は自分の思い出のもう一度食べたいおやつをリクエストすることができるのです。
みんなでおやつを食べるこのシーンがとても幸せな感じで、わたしはある夜この場面の夢を見ました。
それは何だか天国のようで、目覚めてからもその幸せ感が一日中続いたのでした。

このドラマがきっかけで、小川糸さんの小説を読み始めましたが、読んだどの小説も今まであまり描かれなかった、でもとても知りたいことに深く迫って書ききっていらっしゃるように思いました。
これから、少しずつ読むのが楽しみです。

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